第1話 / はじまり

第1話 家族だけで使えるチャットが欲しかった

プログラムは分からない。Android Studioも知らない。JavaScriptも知らない。それでも「家族だけで使えるものが欲しい」という理由だけは、妙にはっきりしていた。

実際の開発履歴をもとに、個人情報・秘密情報・内部の開発方式を伏せ、読みやすさのため一部の順序や会話を再構成しています。

プログラマーではない

主人公は、青空商売で少しくたびれた日本のおっさんである。IT技術者でもなければ、趣味でコードを書いていたわけでもない。サーバーと言われれば、昔ならどこかの部屋に大きな機械が置いてあるくらいの認識だった。

それでも、家族の連絡に使うものについては少しだけ欲があった。知らない人と広くつながる場所ではなく、家族や身近な人の顔が見える範囲で使えるもの。チャットができて、予定も分かって、写真も送れて、ちょっと遊べる。そんな場所である。

「無いなら作る」は簡単に言える

普通ならここで、既存サービスを探して終わる。ところが、おっさんは「自分の家族にちょうどいい形がないなら、作れないだろうか」と考えた。ここまでは無料である。問題は、作り方が分からないことだった。

プログラミング未経験でアプリ開発を始める。文字にすると少し勇ましいが、実態は「何を入れれば画面が出るのか」から分からない。非エンジニアのアプリ開発は、最初の一歩からすでに霧の中だった。

純国産っぽい計画が始まる

企画も日本。使う家族も日本。作っているくたびれたおっさんも純国産。サーバーのどこかにはメリケンの風が吹いているかもしれないので、「全部100%日本製」とは言わない。ただ、発想も目的もかなり日本の家族向けである。

この時点ではAndroid版もiPhone向けWeb版もない。もちろん、後に動画やスタンプで何度も苦しむことも知らない。まだ、何も壊れていない。何も作っていないからである。

そして、おっさんはChatGPTに聞いた。「家族だけで使えるチャット、作れる?」 この質問が長い話の入口になった。

ところで「うちわ」とは

家族や身近な人とのチャット、予定、写真、見守り、ちょっとした遊びをまとめたWebチャットです。現在公開しているWeb版は、iPhone・iPad・PCなどのブラウザから使えます。