第10話 / 表示

第10話 赤文字は怖い

通信が一瞬切れただけなのに、真っ赤な『通信できませんでした』が出る。技術的には説明できても、家族の画面としてはもう少し普通でいてほしい。

実際の開発履歴をもとに、個人情報・秘密情報・内部の開発方式を伏せ、読みやすさのため一部の順序や会話を再構成しています。

正しいエラー文が、良い表示とは限らない

システム側から見れば、一度通信できなかったのだから文章は嘘ではない。しかし、すぐに再接続を試しているなら、利用者が知りたいのは『壊れた』ではなく『戻ろうとしている』という状態である。

そこで、赤いエラーを目立たせる方向ではなく、再接続中だと分かる落ち着いた表示へ寄せることにした。

小さな文言も実機で見る

文字を変えるだけなら簡単に見える。だが、いつ表示され、いつ消え、復帰後に残らないかを確認しなければならない。画面の言葉は処理とつながっている。

AIは文言を変えられる。おっさんは、スリープさせて戻す。役割分担としてはずいぶん地味だが、この地味さが必要だった。

家族向けは怖がらせない

警告が必要なときは警告する。ただし、正常に戻る途中まで毎回真っ赤にする必要はない。アプリの安心感は、大きな機能だけでなく、こういう小さな表示の積み重ねで決まる。

『そんなところまで直すのか』という場所ほど、毎日使うと気になる。

エラー表示も機能の一部だった

最初のころ、おっさんは動くか動かないかばかり見ていた。ところが毎日使うようになると、同じ処理でも言葉ひとつで印象が変わることに気づく。「失敗しました」と「再接続しています」では、利用者が次に取る行動も違う。待てばいいのか、何かしなければいけないのかが変わる。

家族向けでは、詳しい技術用語を出しても役に立たないことが多い。いま何が起きていて、利用者はどうすればいいのか。AIにコードだけでなく表示文も相談するようになったのは、このあたりからだった。

赤文字は減った。開発中の赤信号は、まだたくさん残っていた。

ところで「うちわ」とは

家族や身近な人とのチャット、予定、写真、見守り、ちょっとした遊びをまとめたWebチャットです。現在公開しているWeb版は、iPhone・iPad・PCなどのブラウザから使えます。