第9話 / 再接続

第9話 スリープから戻ったら「通信できませんでした」

普通に使っているときは動く。しばらく放っておく。画面が暗くなる。戻る。上に赤い文字で『通信できませんでした』。家族チャットとしては、なかなか不穏である。

実際の開発履歴をもとに、個人情報・秘密情報・内部の開発方式を伏せ、読みやすさのため一部の順序や会話を再構成しています。

何もしないことがテストになる

送信ボタンを連打するだけが確認ではない。トーク画面を開いたまま放置する。スマホがスリープする。時間を置いて戻る。すると、普段の操作中には出なかった通信エラーが出た。

Webアプリは、常に画面の前で元気に動いているとは限らない。バックグラウンド、スリープ、復帰、ネットワーク切り替え。実生活のほうがテスト項目を増やしてくる。

エラーなのか、再接続中なのか

一時的に接続が切れて、すぐ戻ろうとしているだけなら、『通信できませんでした』は少し強すぎる。利用者から見れば、壊れたように見える。

おっさんは、挙動だけでなく表示も直したくなった。エラーを隠すのではなく、今起きていることに合う言葉へ変える。

AIにとっては通信、人間にとっては不安

ChatGPTは通信状態や再接続処理を見る。おっさんは赤い文字を見る。両方とも間違っていない。家族が毎日使うアプリでは、処理が正しいだけでなく、見た人が不必要に不安にならないことも必要だった。

机の上では再現しない不具合

開発中は、つい画面を開いたまま連続で操作する。だが実際の家族は、チャットを開いたまま食事をしたり、別のアプリを使ったり、ポケットに入れたりする。そうすると通信状態も変わる。机の上で十回押して正常でも、日常の一時間後には違う顔を見せる。

この出来事から、確認の仕方にも生活っぽさを入れるようになった。放置する。画面を消す。戻る。別のネットワークに変わる。アプリを作るというより、家族が雑に使っても戻ってこられるかを試す時間が増えていった。

次に直したのは通信そのものだけではなく、その赤い一言だった。

ところで「うちわ」とは

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