第8話 / 動画

第8話 15秒の動画が送れなかった

写真が送れるなら、動画も送れるだろう。そう思うのが普通である。開発では、普通の予想ほど危ない。

実際の開発履歴をもとに、個人情報・秘密情報・内部の開発方式を伏せ、読みやすさのため一部の順序や会話を再構成しています。

15秒なのに送れない

長時間動画が重いなら分かる。ところが、カメラアプリで撮った短い動画も、うちわ側から撮った短い動画も送れない状態が出た。時間だけ見れば十五秒。短い。だが送れない。

『動画が大きすぎるのでは』という話だけでは説明できなくなる。形式、読み込み方、ブラウザ側の扱い、送信経路。見る場所が増えていった。

デバッグ表示を出しても、原因はすぐ出ない

状態を見えるようにして、どこまで処理が進んでいるか確かめる。表示が出ない。出た。ボタンを押しても変わらない。エラー文も出ない。こういう確認を繰り返した。

ChatGPT バグ修正の難しさは、AIがコードを直せても、実際の端末の動画がその経路を通るかは別問題だというところにある。

なら、切って送れるようにしよう

動画容量の問題にも備えるため、前後を簡単に切れる動画カッターの案が生まれた。スライドしながらコマを見て、切る場所を決める。大げさな動画編集アプリではなく、送信前にちょっと短くするための道具である。

一つの不具合が、別の機能を生む。アプリ開発は妙な方向に育つことがある。

動画は『送信』の前から難しい

動画を選ぶところまではできる。プレビューも出る。だから送れると思う。ところが実際の送信では止まる。利用者から見ると一つの操作でも、内部では読み込み、形式、容量、通信、保存と何段階もあるらしい。プログラムを知らないおっさんには全部同じ「送れない」に見える。

そこで、一度に全部を推測するより「どこまでは進んだか」を実機で確認するようになった。地味だが、これでAIへの伝え方も変わった。「動画がダメ」ではなく、「ここまでは見える、ここから先が動かない」と言えるようになった。

動画は、写真の親戚ではなかった。少なくとも開発中のおっさんにはそう見えた。

ところで「うちわ」とは

家族や身近な人とのチャット、予定、写真、見守り、ちょっとした遊びをまとめたWebチャットです。現在公開しているWeb版は、iPhone・iPad・PCなどのブラウザから使えます。